第5章 飲まれて過ちを
黒羽「酔ってるせいかわかんねーけどよ。顔赤くして、上目遣いして言われたら断れねぇよ…」
『そ、そんな顔してた?』
黒羽「してたぜ?ほら、まだ一緒に居てーんだろ?早く入ろうぜ」
顔を少し隠しながら私の腕を引っ張って行く
オートロックマンションの為私は鞄から鍵を取りだしマンションの扉を開け、エレベーターに乗り込む
黒羽「何階?」
『最上階…』
黒羽「階数もすげぇな」
快斗くんの手は未だに私の腕を掴んでいる。それに意識がいき触られてる部分が熱くなる。
音が鳴りエレベーターが開き、自分の部屋の玄関の前まで私達2人は一緒に並びながら歩く。
家の中に男の人、入れるのマネージャー以来。自分から誘っておいて緊張するなぁ。
鍵を開け、入る。
靴を脱ぐ時さすがに腕を快斗くんは離してくれた
ヒールを脱ごうとするが足の次には手がおぼつかない様で中々ヒールのストラップが取れない。
『んー、取れない…』
黒羽「ほら座ってみん」
座ると彼は屈み、私のストラップを取り脱がせてくれ彼は立ち上がる
『快斗くん王子様みたい!』
黒羽「脱がせる王子様なんかいるか?」
『いるよ、私の目の前に』
黒羽「何か唯吹さん酔ってるから俺の調子が狂う!」
『酔ってないし!!』
黒羽「あー、はいはい。酔ってねぇーな」
『もー!思ってないでしょ?』
立ち上がり彼と目線を合わせる
黒羽「思ってるって!早くリビング行こうぜ?」
『思ってないくせいに』
リビングへ着いた瞬間私はソファーにダイブする
『気持ちいい…』
黒羽「そのまま寝たら大変だぜ?」
私の心配をしながら部屋を見渡している、見渡していると一点だけずっと見ていた。見ていた先に見ると、そこには快斗くんから貰った花の押し花が飾っている壁だった
『いいでしょ〜。貰った花押し花にして部屋に飾っちゃった!可愛くない?』
黒羽「本当に大切にしてたんだな」
『当たり前でしょ?快斗くんから貰った大切な物なんだから』
嬉しそうにしている笑顔が私に向けられる
その笑顔に目が奪われた。
黒羽「ん?俺の顔に何か付いてるか?」
『こっち来て』
言う通りに近くに来てくれソファーに腰かける。
皆に言われた通りだ。恋の1歩手前だったのかも。
彼の顔を手で包み顔を近付ける。
黒羽「え!唯吹さん?!」