第3章 創られた青春
男子学生が騒ぎ立てる
『ごめんね、黒羽くん。迷惑かけちゃって』
黒羽「お姉さんの彼氏になったらこうなるって教えて貰えたしラッキーって感じ!」
余裕の笑みを私に向けてくる
その笑みにホンの一瞬目が奪われてしまった
お姉さん?無視されたと思ったのかその声で我に返る
カメラマン「ほら!カップルらしい事してよ〜」
カップルらしい事という注文を言われたので私はその注文を答えるように私は黒羽くん顔を両手で包み込み顔が写らないようにする
顔を少し近付ける
黒羽「な、なっ!!!」
真っ赤にして黒羽くんが私から顔を背けようとする
『だめ、顔写っちゃうよ?
後そんな顔赤くされたら私も照れて赤くなっちゃうよ』
黒羽「そんな余裕そうな顔されて赤くなっちゃうよとか嘘言ってるようにしか聞こえねーよ!」
『嘘じゃないんだけどなぁ
カメラマンさんもカップルらしい事してって言ってるから黒羽くんも私にして?腰に手を回してみて』
私の言う通りに黒羽くんは少し震えながら私の腰に手を回す
意外と彼の腕は力強く引き寄せられ、それに驚き仕事モードが一瞬途切れて素の一ノ瀬唯吹に戻る。自分でも顔が赤くなるのがわかる
赤くなったのに気付き顔を凝視してきた
『だから言ったでしょ…
私も赤くなっちゃうって』
恥ずかしくなり下を向く
マネ「コラ。下向いてたらだめでしょ?」
この人、絶対面白がってる。
マネージャーを睨みつけ黒羽くんに顔を合わせる
一瞬途切れてしまった仕事モードを戻す
顔をまた近付ける、先程みたく顔を赤らめていない彼の顔が間近にある
教室の所々がザワついているがそんなのおかまいなしに撮影を進めていく
カメラマンは満足そうに声を上げる
カメラマン「いや〜、2人ともよかったよ!
次は黒板の方に行って授業風景なのも撮ってみようか」
指示に従い私は黒羽くんから離れて黒板の方に向かおうと、席の間を通っていると先程ぶつかってしまった女の子が私の事を睨んでいた。
私、何かしちゃった…?もしかして黒羽くんの膝に跨って座ってたのが気に入らなかったとか?もしかして、彼の事好きとか!
そんな事を考えながも、黒板の前に立ちチョークを持ち横にいるカメラマンの方を見る
いいねぇ、という声が聞こえシャッターがきる
数枚撮られまた満足そうな声が聞こえた