第6章 好きな人。
ーーーえ、マジ?
ちょっと、カマかけたつもりなんだけど(笑)
思い当たる人物といえばーーー。
一年前、が憂太に好意を向けているのは薄々気づいてた。
里香の解呪に成功した今、憂太と、2人を阻むものは何もない。
んーーーーー何だろう、、、
ちっとも面白くない。
むしろ悶々とした感情が渦巻いていく。
正直なとこ、純粋でまだ何にも染まっていないこの子を、僕の色に染め上げてみたかった。
コロコロと表情を変え、以前より感情豊かになったを1番近くで見ていたい…
そんな身勝手な事を考えている自分に呆れ、フッと自嘲気味な笑みを浮かべた。
いやいや…可愛い生徒の恋愛を素直に応援出来ないなんて、僕も大概どうかしてるな。
「は相変わらず嘘が付けない性格だね〜、そんなに憂太が良い?」
憂太の名前を口に出した途端、の顔がみるみる赤くなった。
ーーー全くこういうところは素直だな。
『〜〜〜私っ、憂太君なんて一言も言ってないですよ⁈』
「あーハイハイそーだね。そーゆう事にしておこうか。」
『せんせ〜〜っ//』
「じゃあ憂太が戻って来るまではさ、僕にのコト、守らせてよ。」
『え、、、?』
幸い、は僕と2人きりでいても安心しきっているのか、呼吸は乱れなくなっている。
ーーーだから少しだけ。
の顔にかかっていた髪に手を伸ばし、そっと耳に掛け直した。
「最強の騎士(ナイト)だと思わない?」
首を傾け、口の端を持ち上げてみせる。
『・・・・はぁ…怖いぐらい、、』
でしょ?と笑って応える。