第5章 ただいま。
恵君との約束通り、5分間の全速力鬼ごっこの末、、、
『はぁっはぁっ、、、タッチ‼︎捕まえたっ‼︎』
「アレ?捕まっターーー‼︎」
ケタケタと笑う呪霊の顔を見ながら、
"ごめんね。"と心の中で謝り、手から反転術式を流した。
バシュッ
一瞬にして呪霊は消え去り、私はフゥー、とその場に座り込んだ。
「さんっ⁉︎」
慌てた様子で恵君が駆け寄って来る。
『つ、疲れたぁ〜〜〜!足、、パンパンだし、、
もう歩けない…一歩も歩けない…』
呪力も体力もすっからかんになり、そのままゴロンと畳の上に仰向けになった。
「ーーー大丈夫っすか?」
恵君が上から心配そうに顔を覗き込んできた。
『・・恵君。我儘聞いてくれてありがとう…。
こんなやり方、、術師として失格だよね。』
自嘲気味に笑い、まだ起き上がれない私は腕で顔を隠した。