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呪術廻戦 〜生きた証 後編 〜

第1章 番外編 ①



教壇では白髪頭のおじいちゃん先生が、古文の一節を黒板にカリカリと一生懸命書いている。

一応机の上にノートは開いてあるけど、授業が始まってからまだ何も書き写していない真っ新な俺のノート。

隣ののノートを覗けば綺麗な字でみっちりと埋まっている…。


授業に集中しているの邪魔をする気はないけれど、少しだけこっちを見て欲しくての肩をチョンッと指で叩いた。



『うん?』


俺はシャーペンを手にし、真っ新なノートの端に、


"字、キレイ。"

と書いてに見せると、少し照れ臭そうに笑い、


"ありがとう"

と自身のノートの隅に書いて見せた。


お互い顔を見合わせてフッと笑い合う。


何だか2人だけしか知らない秘密のやり取りみたいでちょっと嬉しいかも。


そんな事を思ってると、が再びノートに何やら書き出した。


"筆談なら狗巻君と色々話せて良いね。"


「・・・・」


思いもよらない文に、つい口元がニヤケそうになった。


"うん。普段言えないコトも文字なら伝えられる。"


俺の書いた文字を読み、コクコクと小さく頷きながらは顔にかかっていた髪の毛を耳に掛けた。


それを見て俺はまたペンを走らせる。



"髪、キレイ。長いのすき。"



"切るの面倒で伸びちゃっただけなんだ、、、"



"良い匂い、するし。"



"五条先生が買ってきてくれたシャンプーだよ。"




「・・・・。」



何か、、、モヤっとする。

まだまだ俺との間には距離がある。
そりゃ一緒に住んでる憂太や五条先生には敵わないだろうケド。。




"の事、もっと知りたいし、仲良くなりたい。"



思った事をストレートに書いてみる。



は目をパチっと瞬かせると、嬉しそうに頬を緩めた。



"じゃあ狗巻君の事も教えて欲しいな。"



純粋に友達として仲良くなりたい、という事なんだろうけど、この機に乗らない手はない。



"もちろん。今日、部屋に遊びに行っても良い?"
 

"うん。大丈夫だよ。"



心の中で小さくガッツポーズをした。


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