第1章 番外編 ①
その日の夜。
「・・・おかか。」
そう、人生はそんなに甘くはない。
が「どーぞ。」とリビングに通してくれたそこには、既にパンダと真希、憂太達が居てゲームで盛り上がっていた。
「ん〜?どうした棘⁇突っ立ってないで早く座ってやるゾ!
憂太じゃ相手にならん。」
「憂太マジよえーな?よし!棘と憂太交代だ。」
「だから言ったじゃん、僕こういうの苦手なんだよ〜。」
憂太が立ち上がり、「ハイ狗巻君。」とリモコンを渡してきた。
「・・・ツナマヨ。」
とりあえず受け取ってしまったリモコンを見ながら、ゲームをしに来たワケじゃないんだけどな…と思いに視線を向けると、ふと目が合った。
『狗巻君、頑張れ〜!』
「ーーーしゃけ!」
我ながら単純。
それから結局、いつものようにゲームに夢中になってしまい、気付けばここに来た理由すら忘れパンダと真希と3人で白熱した争いを繰り広げその日の夜は更けていった…。