第5章 ただいま。
『・・・あのぅ、ちょっと情報量が多すぎて、、
頭がパンクしそうです…
何か、、、色々大変だったんですね、、』
「ホントまじで大変だったよ〜。
つーか内通者の件はまだ解決してないからね〜。」
隣の座席で、はぁ。と深いため息を吐きながらも駅弁の蓋を開け、早速箸を運ぶ五条先生。
『内通者、ですか…。高専の関係者を疑わなきゃいけないなんて、辛いですね…。』
「そーだね、生徒じゃない事を祈るよ。
ま、今そんな状況だからさ、が戻って来てくれて正直助かるよ。
頼みの綱の憂太は海外だし。」
『えっ?憂太君、、海外にいるんですか⁇』
思わず前のめりになり聞き返すと、
五条先生は、もぐもぐと咀嚼しながら「そ。海外。」とあっさりとした返事が返ってくる。
憂太君、、、。
最後に会ったのは宣戦布告をしに高専に行ったとき。
ほんの一瞬だったけど、私に気付いて名前を呼んでくれた。
この半年間、憂太君の事は考えないようにしていた。
あの優しい笑顔と声を思い出すと何故か泣きたくなる程胸が締め付けられるから、、、