第4章 もう一度。
「七海。」
『ーーーーえ?』
「あの日、京都には七海がいたんだよ。
の残穢を七海が現場で確認してる。
さ、呪霊を祓って高専側の術師、救ったんじゃないの?」
『ちがっ‼︎そんなコト、、』
「それに傑はに人殺しはさせ無かった筈だよ。
僕には分かるんだ……親友だからね、、」
『・・・・。』
膝の上で拳を握りしめ、泣きなくなる気持ちを必死で堪える。
そうで無ければ今すぐにでも先生の腕に縋りついてしまいそうだった。
『ーーーだとしても、、、私はもう高専には戻りませんから。
もう帰って下さい…。』
一方的に話を切り上げ、立ちがろうと腰を浮かすと、
「ーーー1人は寂しいよ?」
五条先生がポツリと呟いた。
『ッ、、、』
寂しい。
ずっと、、寂しかった。
本当は誰かが迎えに来てくれるのを待ってた。
ここで何年も、何十年も人目に触れず死んでいくんじゃないかと毎晩不安と恐怖に押しつぶされそうになっていた。
握りしめた拳の上に、大きく温かい手のひらがそっと重ねられ、
「ーーー、一緒に帰ろう。」
"一緒に帰ろう"
その言葉が胸に響く。
嬉しいのに、嬉しくて堪らないのに、、、、
溢れる涙を隠すように、私は俯き黙って首を横に振った。
「はぁ〜全く。
強がりの意地っ張りめ。少しは素直に甘えなさい。」
五条先生は息を吐くと、私の頭を自分の胸へと引き寄せた。
体制を崩した私は膝立ちのまま抱きしめられ、先生は子供をあやすかのように背中をポンポンと優しく叩く。
「ーーー高専に、帰るよ?」