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呪術廻戦 〜生きた証 後編 〜

第2章 百鬼夜行



ーーーー毒⁇



解毒をするには緻密で高度な反転術式が必要…

今の私に出来るだろうか…。

眉間にシワを寄せ、固まっていると、


「ーーー頼むよ…‼︎助けてくれ、、頼む、、、」


女性の手を握り、涙目で懇願する彼を見て、私は小さく頷いた。



ーーーーやるしかない、事は一刻を争う。


私は女性の胸に手を当て脳をフル稼働させる。


『〜〜〜〜ッ』


解毒は初めてだ。

緻密な呪力操作に脳がショート寸前になる。


ここで呪力が底をついたら夏油さんに会わせる顔がないな、、、

だけど今は目の前の命を救いたい…。




女性の体がポゥッと青白い光に包まれると、呼吸が徐々にスースー…と落ち着いたものに変わっていく。



『ーーーーはぁ〜…恐らくもう、、大丈夫です…』



その場にへたり込み、額の汗を拭った。



「ーーーありがとう‼︎本当にっ、、、うっ、、良かった、、ありがとうっ、、」


男性は安堵の涙を流し、女性をぎゅっと抱きしめた。


『・・・大事な方、、なんですか?』


「あぁ…実は年が明けたら結婚する約束をしてるんだ…。
術師なんていつ死ぬか分からないから早く結婚しようって。
ついこの前、逆プロポーズされたんだよ。
そしたらマジで死にかけやがって、、、」


鼻を啜りながら照れたように笑う男性は、彼女をとても愛おしそうに見つめている。



私は男性の折れている方の腕に手を当て、再び反転術式を施した。



『・・両腕で抱き締めてあげて下さい…。
直に目を覚ますと思います。』



私は立ち上がり二人に背を向けた。



「ありがとうっ!本当にありがとうっ‼︎‼︎
君、高専の生徒だよね?
名前は、、⁇」



『・・・・・お幸せに。』



振り向く事なく、私はその場を離れた。


こんな混沌とした世界でも真っ直ぐ想い合ってる二人が羨ましく思った。



ーーーー術師なんていつ死ぬか分からない。

その言葉がやけに頭に響いた。




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