第2章 百鬼夜行
なるべく高専側の人達に見つからないよう、気配を消し、建物や物陰に隠れながら足早に進んで行く。
『ーーー⁇あれは、、』
前方上空で箒に跨り空を飛んでいる女の子が見えた。
空から呪霊の位置や数を確認して、下にいる仲間に指示を出しているのだろう。
ーーーあの子に見つかったら厄介かも。
私は隠れやすい高いビルが立ち並ぶ方面へと方向を変え再び走り出した。
さっきの女の子、年齢的に同じぐらいかな?
だとしたら京都校の子達もここに駆り出されてるんだ…。
交流戦に参加しなかったからお互い顔は知らないけれど、出来れば鉢合わせは避けたい。
『・・・そう言えば、交流戦の結果…聞きそびれちゃったな…』
もう4ヶ月も前の話だ。
出発前に五条先生が「憂太がいるから今年は余裕でしょ」と話していたのを思い出す。
あの日、私も交流戦に出ていたら今とは違う状況だったのかな…。
今頃五条先生と新宿で呪霊を祓ってた?
それとも家入さんと共に手当てに回ってた?
私の隣には、、、憂太君や狗巻君、パンダ君や真希さんが…。
ーーーー皆んなと肩を並べていたのだろうか…。
『ーーーーーっ』
気づけば頬に一筋の涙が伝っていた。
『・・・今更、、、何考えてんの…私、、』
そう、これは自分で選んだ道じゃないか。
彼らの元を離れる決断をしたのは誰でもない、自分だ。
手の甲でぐいっと涙を拭い、フゥと息を整える。
その時ーーーー、
「ーーーーだっ、だれ、、か、、、」
『ッ⁉︎』
微かに声が聞こえた。
しかもこの先に呪霊の気配も感じる…‼︎
再び地面を蹴り上げ、気配を感じる大通りへと飛び出した。