第2章 百鬼夜行
ドーンドーン、、という爆音が聞こえ、ふと我に返る。
音の方へ視線を向けると、20メートルは優に超えるであろう武者の姿をした巨大な呪霊が建物を押し潰していた。
『凄い、、、、』
崩落の音と共に白煙があちこちから上がり、これだけ離れた場所にいても戦場の激しさが伺える。
すでにあの一帯の一般人は避難は済んでいるようだけど、、、
これだけの数の呪霊が暴れたらさすがに高専側の人達は、、、
ーーーーそこでハッと気付く
私、、、何考えてるの、、、⁈
今、私が対峙しているのは高専だ。
『ーーーーちゃんと気持ちの整理、つけたじゃない…』
気持ちを切り替えるように頭をブンブンと振り、前を見据える。
けれど、遠くから僅かに聞こえてくる悲鳴に、私の心はぐらぐらと揺れ、握りしめた手にはしっとりと汗が滲む。
『〜〜〜ッ、、』
こんな所で私一人が高みの見物なんて、、、
本当にこれで良いのーーーー⁇
私が救える命があそこにあるかもしれない…。
助けを求めてる人がいるかもしれない…。
1人、悶々と葛藤している間も大量の呪霊は京都の街を破壊していく。
『ーーーーやっぱりじっとなんてしてられない、、、‼︎』
私は地面を蹴り、呪霊が集中している市街へと駆け出した。