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無色透明な赤い糸       【DC】【松田】

第6章 ろく


 「まぁ、けど…あくまで推測だけど」

 私を横目でチラッと見た松田サン。

 「なんだ」
 「いや」
 「もったいぶらないで言え」
 「急かすなよ。しらねぇけど。しらねぇけど、お前ら2人のせい」

 シーンとする部屋。

 「人のせいにするなよ」

 冷静に返す安室さんに便乗する。

 「そうだそうだ!だからテンパでグラサンなんだ」
 「俺のアイデンティティを侮辱すんな。そんな俺が好きなんだろ」
 「好きって言ってませーん」
 「言っただろうが!」
 「松田、ノロケる前に俺らのせいってどういうことだ?」
 「ノロケてねぇ!だから、…その、アレだよあれ」
 「なんだよ」
 「お前ら、引き合わせるため…とか?」

 松田さんの言葉にポカーンとしたのはなにも、安室さんだけじゃない。

 「松田さん、少女漫画の読みすぎでは?」
 「お前に言われなくねぇ」
 「話にならん。お前のせいで風邪を引いたなまえさんのこと、病院に連れてかなきゃいけないんだった」

 立ち上がった安室さん。

 「俺のせいじゃないだろ」

 不貞腐れる松田サン。

 「すみません、お手数かけます。もう熱も下がったんで、私的には病院大丈夫なんですが」
 「念のためです、それに、僕の同期の尻拭いなんで」
 「松田サンみたいな同期もって、安室さんも苦労しますね」
 「そうなんですよ、ほんとに」

 やれやれと、ため息をついた安室さんに同情の目を向けた時、ムスーっとしながら私を見てきた松田サン。

 「なんですか」
 「なんか怒ってるだろ、お前」
 「…はぁ?」
 「なまえさん、さき車行ってるので用意できたら来てください」

 空気の読みかたがクソうまい、安室さんにほんと感謝だ。

 「怒ってませんけど」
 「いや、嘘だな」

 お前こんな目してるぞと松田サンは目尻をぐいっとあげて吊り目にしてるけど、サングラスかけてるから見えないし。

 「松田サンが死んでまで私の元にいるの、100歩譲って私のせいだとしても、…
 安室さんと引き合わせるためっていう、理由が気に食わないです」
 「なんでだよ」
 「5巻の37ページよんでないんですか」
 「あぁ?」
 「主人公のみきちゃんがハヤテくんに」

 言いかけたところで口を抑えられる。

 「ばっか、お前まだ俺それ読んでねーよ!ネタバレじゃねーか!」
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