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無色透明な赤い糸       【DC】【松田】

第4章 よん


 「でも、同期の人なにやってるか分かってよかったね。ゼロさんも、元気そうだったし」
 「だな」
 「同期の人、後3人だっけ?」
 「ちげー。1人は分かってるからな、後2人だ」

 そっか、あの同僚の人か…。

 同期って言っても、男の子だけじゃないもんね。
 随分はちゃめちゃだったけど。

 世話係の同僚っていってたし、他の人たちも含めてお世話してたってところ?
 ゼロさんも相当やばそうだし、ゴリラだけに飼育員みたいな。

 「お世話がかりの同僚さん、素敵な人だったもんね」
 「あぁ?なんで今?」
 「紅一点だったの?」
 「あー……………まぁな。そんな感じじゃねぇ?」

 そっか…

 やっぱり。

 「じゃあ、いっそのことさ!後2人も探しちゃおうよ!」
 「は?」
 「松田さんは、同期のこと気になりすぎて、成仏出来ないんじゃない?
 私は、華の女子大生だし、社会人よりも時間あるし。
 課題も、松田さんが手伝ってくれるなら、それの報酬ってことでどう?
 もらってばっかりじゃ、申し訳ないし」

 松田さんのことが知りたい。
 松田さんの同期をさがせば、少しは近づける?

 本当はどこかで思ってた。

 そんなものが、松田さんの成仏できない理由じゃないんじゃないかって。
 もっと、なにか別の心残りがあって、だからこうしているんじゃないかって。

 それなのに、ただ近づきたくて、核心に触れたくて、ずるい私は、それを利用しようとしている。

 「お前、いい奴だな」
 「なら、」
 「ありがとうな、けど、大丈夫だ」

 ピキッと、

 どこか、軋んだような気がする。

 あぁ、そっか。

 やっぱ、わかるよね。こんな醜い考えも、見透かしてるんだ。
 警察官だから、わかるんでしょ?
 踏み込んで、欲しくないんでしょ?

 「人生終わったやつの面倒なんて見ようとしないで、お前はお前の人生があるんだからよ」
 「…」
 「だから、お前はやりたいこととかやらなきゃいけないこと、ちゃんと見極めて今を生きろよ」

 グッときた。

 とてつもなく、グッと。
 それは、尚更私の心を重くするには十分だった。

 「私はいらない?」
 「バーカ、お前に俺がいらないんだよ」
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