第4章 よん
「なぁ」
「なんですか」
その辺にあった小石をけりながら、歩く。
あんまり開けた道で話しかけないで欲しいんだけど。
「俺もお前に近いとこあったかもしんねぇけど、ダチいた方が楽しいぞ」
「それは小さい時まででしょ、学生は勉強が本文なんだから必要ない。それに、今は松田サンのおもりがあるし」
「誰がベビーフェイスだ」
「いや、確かにベビーフェイスではあるけど、口悪いし、デリカシーないし」
「いつもの調子取り戻したんじゃねーか」
「でも、基本優しいよね」
「…頭打ったのか?」
ほら、コレだもん。
「松田サンは、ダチいたんですか」
「まぁ、それなりにな。ライバルっつーか、ほら、前に話したろ?同期のこと」
「…あぁ、ゼロさんとか」
「そーそー。そんなかでも幼馴染の萩原っつーやつは、親友で」
「親友で?」
「美人のねぇちゃんがいたんだ」
そこまで言われて、察してしまった。
「で、そのねぇちゃんが松田サンの初恋の人とか」
「相手にされたことなかったけどな」
「へぇ…」
きゅっと、拳を握る。
「はは、眉間に皺よってんぞ」
「お日様が眩しいんで。松田サン太陽の方に立つからお日様避けて眩しいんですよ」
「そうかよ」
「そうだよ」
松田サンの想い人の話なんて聞きたくない。
すごく、聞きたくない。
「松田サンは、プレイボーイかなんかなの」
「はぁ?」
「その萩原さんのおねぇさんと、さっきの美人のお世話係の人」
「2人じゃねぇかよ」
「私は生涯1人って決めてるもん」
「お前、」
「…」
「騙されんなよ、つーか、俺が見極めてやるよ」
「はい?」
「なんつーか、だまされそうじゃんお前。
ほら、俺も地縛霊から守護霊になったわけだし?」
「………馬鹿」
全然面白くない冗談だ。
守護霊なんてなられたら、絶対成仏出来ないじゃん。
「なんだよー、冗談だろーが」
「松田サンが守護霊は却下。絶対嫌」
「でも、俺が守護霊なら勉強教えてやれるぜ?」
「そんなの何とかするもん」
何で私の運命の相手がこの人なんだろう。
「そーかよ。可愛くねぇ」
そーだよ、可愛くないよ。私。
「さっきの人は可愛かったもんね。と言うか美人さん?あ、美人さんが好きなんだ、松田サンは」