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無色透明な赤い糸       【DC】【松田】

第2章 に


 座ったまま、ポケットに両手を突っ込んでいる。

 が、…気付いてしまった。

 私の糸の先がその人に繋がってること。
 絶対、そうだってこと。

 まさか、運命の人って召喚式だった?

 「おい、聞いてっか?」
 「いえ、全く」
 「あ?!」

 ひぇ、怖い。
 
 私の返答が悪かったせいか、イライラしてらっしゃるの?
 はわわ。
 この人めっちゃ貧乏ゆすりしてるじゃん。

 グラサン柄悪じゃん、怖いじゃん、テンパヤンキーじゃん。

 スーツ着てるけど。

 などと、分析すること数秒。わたしの小さな脳みそが悲鳴をあげる。

 これが俗にいうキャパオーバーだ。

 「アンタ、名前なんて言うんだ?」
 「みょうじなまえです、」

 思ってるより小さく出た声に、聞こえるほどの大きな舌打ち。

 …なまえ氏終了フラグ。

 拝啓 神様

 どうか、どうか、どーか!

 (私が望んだ運命の相手だけれども)

 今から徳積むので、
 運命の人がこの人ってオチだけ、

 どうにかしてもらえませんでしょうか?

 正直に申し上げますと私、黒髪天パはお呼びじゃないんです!
 金髪蒼眼の、優しい感じの王子様属性が趣味なんです!!
 物語ばっかり読んでるから!!
 結局そう言う王道が好きなんです!!

 異国の王子で儚げに微笑んでくれるような相手がいいです!
 マント羽織っててくれたら更にいいんです!

 スーツにグラサンは対極なんです!!!
 そうじゃないんですぅうううう!!!!!

 幼少期に色々苦労をして、それでも直向きに爽やかに頑張るイケメンがいいんです!!!!!

 尚徳を積んだ暁には、

 来世の運命の人もその辺を熟考、考慮していただいた上でどうにかしていただきたくおもいます。

 どうか、どうか、

 温情のある、御判断をよろしくお願い申し上げます 

                      _敬具
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