第1章 1st
「概ねってことは、だいたいってことだろ?君はすぐ隠すんだから、あの時だって」
「こらこら、あむぴはあの時いなかったハズだよ。外なんだから気をつけないと!…でもま、仕事続けるのはむりかなー。」
「そんなに悪かったんですか?」
「あぁ、心配しなくても、まだあいつらは追わないよ。今行ったら正義のヒーローにボッコボコにされちゃうもんね。まぁ、7年間無駄金は使ってこなかったし、しばらくはゆっくり過ごそうかなとは思ってる。」
カシャンと柵がなる。
私が寄りかかったからだ。
「あの、」
「なぁに?」
「それなら僕に、」
私はこの時、今日の夕飯のことだけ考えていた。
病院食、味が薄いんだもの。
「僕に、あなたの残りの人生預けてくれませんか?」
「は?」
「ずっと考えていたんです」
「傷の舐め合いでもしたいの?」
「…7年、いや、本当はずっと前からあなたを見てた。
ここ最近のあなたときたら、繋ぎ止めとかないとどこかに行ってしまいそうで怖いんです。」
「薫る紫煙の如く」
「ちょっと何言ってるかわからないんですけど、僕ならあなたの事情知ってますし、ハギが1番で構いません。僕だってあなたよりハギを思ってますし、」
「いや、それはそれでどうなの?」
紫煙はどっちよ、掴みどころがないのはそっちじゃん。
「って言う冗談は、さておき。返事はいつでも構いません。」
「正気?私一生仕事できないかもしれないよ?」
「大丈夫です、あなたと、なんならあと5、6人余裕で養えるくらいは甲斐性があるので。」
「う…」
「30までに決めてください」
「いや、結構間近!!」