• テキストサイズ

残り香     【DC】【萩原】

第1章 1st


 「概ねってことは、だいたいってことだろ?君はすぐ隠すんだから、あの時だって」
 「こらこら、あむぴはあの時いなかったハズだよ。外なんだから気をつけないと!…でもま、仕事続けるのはむりかなー。」
 「そんなに悪かったんですか?」
 「あぁ、心配しなくても、まだあいつらは追わないよ。今行ったら正義のヒーローにボッコボコにされちゃうもんね。まぁ、7年間無駄金は使ってこなかったし、しばらくはゆっくり過ごそうかなとは思ってる。」

 カシャンと柵がなる。
 私が寄りかかったからだ。

 「あの、」
 「なぁに?」
 「それなら僕に、」

 私はこの時、今日の夕飯のことだけ考えていた。
 病院食、味が薄いんだもの。

 「僕に、あなたの残りの人生預けてくれませんか?」
 「は?」
 「ずっと考えていたんです」
 「傷の舐め合いでもしたいの?」
 「…7年、いや、本当はずっと前からあなたを見てた。
 ここ最近のあなたときたら、繋ぎ止めとかないとどこかに行ってしまいそうで怖いんです。」
 「薫る紫煙の如く」
 「ちょっと何言ってるかわからないんですけど、僕ならあなたの事情知ってますし、ハギが1番で構いません。僕だってあなたよりハギを思ってますし、」
 「いや、それはそれでどうなの?」

 紫煙はどっちよ、掴みどころがないのはそっちじゃん。

 「って言う冗談は、さておき。返事はいつでも構いません。」
 「正気?私一生仕事できないかもしれないよ?」
 「大丈夫です、あなたと、なんならあと5、6人余裕で養えるくらいは甲斐性があるので。」
 「う…」
 「30までに決めてください」
 「いや、結構間近!!」
/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp