第3章 3rd
「へぇ、じゃあ、萩原さんからゆりさんが好きになったんだ?」
「そうそう、園子ちゃんだって、ゆりの良さわかるだろ?初めて会った瞬間に俺は天使にでも遭遇しちまったかとおもったね」
「よく言うよ、私のこと男の子だと思ってたくせに」
「天真爛漫でお転婆だったからなぁ」
そんなこともないはずだ。
当時の私は長い髪が苦手でショートだったけど、野球もサッカーもドッチボールも見るよりやる方が好きだったけど…
「へぇ、想像つかないなぁ。ゆりさんって、大人でクールでたまに天然なとこもあるけど、お転婆だったとは…」
目をキラキラさせながら園子ちゃんが言う。
「ヘビースモーカーでもあるけど」
上げて下がるの辞めてくれ、園子ちゃん。
「そうだ、それだ。」
「どうしたの、研二」
「言おうと思ってたこと。思い出したから後で言うわ。」
その言葉に首を傾げる。
「でも、本当に印象変わりますね。」
「え?」
「萩原さんといるゆりさん、柔らかいっていうか、ほんわかしてるっていうか」
「地に足がついてない感じ」
「こら、園子。」
「いいじゃない、内緒にされてたから意地悪言いたくなったのよ」
そういえば、この2人も幼馴染だったっけ。
「ある意味私、新一くんポジだったんだ」
「なに?急にどうしたのよ」
「私と研二と、松田ってもう1人いたんだけどね。逆バージョンだけど、君たち3人とにた関係だったんだなって」
「じゃあ、私がその松田って人で、蘭と新一くんがゆりさんとこのイケメンってわけ?」
そう一度思ったら、よけいにこの子たちがキラキラして見える。
「蘭ちゃんも、園子ちゃんも、新一くんも、希望だな…」
「え?」
「どうしたんですか、ゆりさん。」
「早く、…新一くん帰ってくればいいね」
「アイツは、探偵で推理バカだから仕方ないんです。」
「へぇ、蘭ちゃんの恋人くんの新一くんは、探偵さんなんだ?」
すらっとナチュラルに名前呼びまでして、フワッと会話に入ってきた研二。
「そうなんですよ!新一くんってば、こんなに可愛い蘭を置いて世界中飛び回ってんのよ、電話もたまにしか寄越さずに!
織姫と彦星かってーの!!」