第6章 気になる彼の形と私の色
「……嫌っ……て言ったら、止め……る?」
「止める」
そう思いつつも、そう言いつつも。
私の体は離れるために抵抗しなかったし、下着の布地を取り去る彼の指が止まることはなかった。
「んン……」
私の視界のギリギリの中で、胸の先が揺れてふるん、と彼の鼻先に収まった。
以前にも見られたことはあったと思うけど、その時よりも顔が熱くて恥ずかしく感じた。
「前は陰んなっててよく見えなかった。 オマエの胸。 唇みてえな色…… 紅くて。 これ弄ったら、血みたいんなるかな」
彼の視線が痛い。
痛くって隠そうとした私の手を、彼がやんわりと外す。
太い指先が紅いらしき頂点よりも薄い乳輪に触れて指の間に挟む。
挟まれて卑猥に顔を出しかけた乳頭を彼の息が撫でていく。
「あ…ん……ぁ…あっ」
「嫌なんじゃねえの……オレだけとかは嘘か」
むしろ逆だよ、そう言いたかったけど言葉が出なかった。
片胸をはだけて彼の指が内部の芯を捏ねてくるたびに腰があがる。
私を支えたタクマさんの片腕が背中から肩に移動し、抱きすくめられた時にどこか愉しげに目尻が流れた彼の瞳とぶつかった。
「昨晩は人のカラダ好きにしてくれたよなあ? で、オマエって、責められたら途端に弱いのな。 ホラ早速、乳首立ててんじゃねえよ」
……仕返しのつもり?
それとも私これ、からかわれてるの。
またすぐに本気になって吞まれそうになっていた自分がいたたまれなく、顔がますます火照ってくる。
それでそのまま腰を捻り、背中を向けてそこからすり抜けようと思ったら、なぜだかタクマさんが後ろから体重をかけてきた。