第6章 気になる彼の形と私の色
「……母親にも話通してくれてて助かった。 迎えに来たなり、オマエが今日ぶっ倒れて、寝てるって聞いてビビったけど。 具合は少しはマシか? 正直に言えよ」
両親と同じに心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
具合なんかより、タクマさんのこんな顔はいやだなあ。そう思う。
「うん……少しだけ、めまいはするけど」
ごめんなさい。と、心の中でもう一度謝った。
そしてベッドの脇に移動させた椅子に座った彼が、表情を元のように引き締める。
「分かった。 じゃ、手短に。 一応確認しとくけど、オマエがいきなり勤労学生なったのは、オレと付き合ったせいだな?」
「………う、うん」
起き抜けのやり取りから、その辺りの私の思惑はすでに共有されてるらしかったので、ぎこちなく頷いた。
「だけどオマエがそんなんなるんなら、オレは付き合うのは止める」
ハッキリと言う。
胸にズキッと鋭い痛みが走った。
彼なら本当にそうするんだろうと解るから。
そしたら、私はどうすればいいんだろう?
止めると言われた、ただそれだけが頭に響いて、涙も出てないのにしゃくり上げるように、たどたどしく言葉を並べた。
「……でも…っ、会いたいし…車とか、そしたら夜でも、私もそっちに。 ……タクマさんは働いてる、からっ。 疲れてるから、いつか…ご飯とかも、用意して。 私がお帰りなさいって、言いたく…って」