第3章 ハチミツ味のSavage CAFE
付き合ってるなら、腕組んでもいいと思うんだけど。
小さい頃は両親の腕にぶらさがって遊んだりしたし。
「?私のせいで少し濡れてしまったのは申し訳ないですけど。 でも私も初めて触ったので、なんというか、幸せで」
うっとりしながら思い出し呟く私に、タクマさんがナプキンで口元を拭い殺し屋のような目で見てくる。
「綾乃黙れ。 永久にだ」
「拓真って、まさに正統なここの店名にそぐう男だったんだねえ」
腕を組み、しみじみと語るタケさん。
店名。
メニューに書いてある、Savage CAFE の、Savageって、たしかカッコいいって意味だったと思う。
「まさにそうですよね!!」
元気よく私が答え、それに対し大笑いするタケさんと、片手で顔を覆い首を振っているタクマさんだった。
ちなみに、Savageという単語は元々は「凶暴な」「獰猛な」という意味らしいというのを、私は結構あとになってから調べて気付いた。