第10章 終章 わたしの心の青海原
二度目の彼は、最初よりは加減してくれた。
それでも逆に、優しいというかねちっこいとか的確だとか、これもまた色々と昨晩よりも三倍増しぐらいのインパクトで私には過ぎたものだった。
タクマさんは終わったあとでもなぜか、私を体の上に乗っけたまま緩く抱き締めている。
ふと、最初に彼に告白したあの海での朝を思い出した。
「でも…う、後ろからは…恥ずかしいよ……」
「そっちのが形状的には向いてんだけどな。 オマエならそのうち、すぐに中イキも出来そーだから心配すんな」
タクマさんが今話してる、その内容はそのときとは大分違うけれども。
そんな心配してないよ。
……してないのだけれども、二度目が終わって離れると今度は、もっと欲しい気がした。
やっぱり形状云々が関係しているのだろうか。
でも抱き合ってする方が安心感はあった。
今の彼もそう思って、私をこうしてるのかな。
そんなことを悶々と考えてしまう。
どうしよう……私、ひとりエッチの回数増えそう。
したあとにずくんずくんと熟れたみたいに疼くこれって、なんだろう?
セックス中毒って病気があるという。
タクマさん中毒の私は、そのうちそれと同義になるんだろうか。
「……そしたら、動画送ってくれ」
ボソリと呟きが上から降ってくる。
「え!? 何の? なっ…なに、言ってるの?」
「……だから思ったこと、時々口に出すクセ、どうにかしろって。 代わりに、電話んとき顔映していいから」
いつでも会える、タクマさん。
私に話しかけてるいくつもの彼……堪らなく欲しい。
「ホント? 分かったよ!」
「分かったのかよ……」
言い出したくせに、少し引き気味にげんなりとした声を出す。
やっぱり動画までいくとますます変態っぽいだろうか。
今でさえ、会えばキスをしたくなる中毒となりかけてしまったというのに。
……止めておこう。