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朝凪のくちづけ【R18】

第9章 One hundredth time「少し」




「やっぱちょっと血付いてた。 ホントに平気か?」


「うん。 気持ち良い方が……すごくて。 あ、でもまだお腹になんかいるみたいな気も?」


「そっか。 素直でエロい体に育って良かったな」


「う、うん? でも、タクマさんは……」


「処女相手に我忘れてズコバコやれるほど神経太かねぇし……途中でも、無事にくっ付けたんなら今晩はいい。 大丈夫そうなら、明日ちゃんとやりてえけど、出来れば」


「明日」


「大丈夫そうなら」


「じゃあ、明日は、タクマさんの好きにしてね?」


頭の下にあった腕からよじ登って、彼の胸に頬を擦り付けてると、自分の腿のあたりに硬く押される熱を感じた。


「……あれ? またなんか」


「うるせぇな、さっさと寝るぞ……」


窓の外。
遠くからはコロコロと鳴く虫の音が聴こえる。

安寧と、しめやかに降りていく夜のとばりの中で。
初めてをタクマさんと過ごした。


「……私ね、すごく幸せだよ」


緩く回された腕が髪を撫でてきて、うっとりとそれに委ね、タクマさんの温かさに涙ぐみそうになりながら目を伏せる。



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