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朝凪のくちづけ【R18】

第9章 One hundredth time「少し」



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翌朝は、まだ暗いうちから目が覚めた。

壁に掛かっている時計に目をやると午前三時半。


隣ではまた音も立てずにタクマさんが眠っていた。

セミダブルのベッドも、彼がいると狭く感じる。
でも、それがうれしい。


しばらくとほっとしてはニヤけるを繰り返し、彼の寝顔に見蕩れては肌掛けから覗く胸や肩にキュンとなる。
してる時は余裕がなかったけど、添い寝をしながら一緒に眠りに落ちる時間はすごくタクマさんを感じた。


そして室内の青のグラデーションが少し荒削りに見える顔立ちに陰翳を加え、繊細さをかもし出す。 そんな夜の彼もまた、いい。


またぴたっとくっつきたい衝動に駆られたけど、先にそおっと起き出して軽くシャワーを浴びた。

今の体をタクマさんにあまり見られたくなかったから。
血とかついてたらやだし……すごく濡れちゃったし。


お腹の下辺りに手を当ててなんだか感慨深い気持ちになった。


あんまり思い出すと変な気分になりそうになって、洗面所で火照った顔をまた洗う。



うーん。
鏡に映った自分をじっと見て背中まで伸びた髪に触れてみる。


これは、アレを本格的にやれるチャンスではなかろうか。



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