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朝凪のくちづけ【R18】

第8章 丁度良い焼き加減だったらどんな味?



今は午後八時。
波の音が少し冷たい夜風を運んでくる。

駐車場に向かうタクマさんに訊いてみた。


「みんな元高校の同級生なの?」


「オレの連れのヤツらか? タケの彼女は違うな。 つっても、二人ももう付き合って六年だから似たようなもんか」


きっとタケさんの彼女もキレイなんだろうなあ。

美男美女が四人揃うなんて、迫力っぽい。
私なんかその中に混ざると浮いちゃうんだろうな。


あ、また変な感じ。

これも母が言ってた『不安定』の仲間なんだろうか。


そんな感情を振り払うように、エンジンをかけたタクマさんの車に勢いよく乗り込む。


「タクマさん!  私、花火買ってきたんだよ」


「へえ。 んなもん何年もやってねえな」


「だと思って」


本当は、浴衣とかを着て一緒に夏祭りにでも行きたかったんだけど。
それは来年でも行けるもの。

それでも、過ぎていく夏に少しでもそれらしいことを彼としたかった。



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