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朝凪のくちづけ【R18】

第8章 丁度良い焼き加減だったらどんな味?




そこで初めて父は背もたれに体を預け、私も冷めたお茶に口をつけた。



「あれからしばらくは彼と会えなくなったが。まだ若い彼と同じように、私は私の持つこの手で、お前たちを守っていくべきなのだと教えられた気がした。 それが私の意思だと。 何と比べるまでもなく、余分な見返りや重責を感じるまでもなく」



父の目尻に浮かんだ皺が深くなる。



「そして、今はとても幸福だ。 互いの気持ちがあるのならば、彼はこれからもお前をちゃんと守ってくれるだろう。 私は彼に本当に幸せになって欲しい」



しばらくと私は父と向かい合いながら、タクマさんと父の過去に思いを馳せた。




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