乙女のしとやかさ【宇髄天元】【鬼滅の刃】R18♡あり
第1章 1 新しい朝
けれども、天元様は私たちくノ一を
1人の人間として扱って下さり、
任務よりも自分の命を優先させろと
言って下さった。
忍びの家系は厳しい訓練や任務の為に命を落としたり、
外部の人間に忍びの存在が知られた時は、
一族の為に仲間を手にかけなければならないこともあった。
幼い頃からずっとそうだったこともあり、
私はそれが普通だと思っていたから、
天元さまの発言には驚いた。
今思えば、
天元様はずっとお父様や、
2つ下の弟さんとの考え方が合わず、
ずっと苦しかったのだろう。
任務のため、一族の為とはいえども、
罪のない人を手にかけ、兄弟を失うことに
耐えられなかったのだろう。
そして、里を抜けた。
そのおかけで
私は今ここでこうして生きている。
私は天元様に救ってもらい、生かされた。
私は彼の為に何かお礼がしたい。
天元様は、里を抜け、
結果として家族を失った。
どんなに価値感が合わなかったとはいえ、
家族は家族だ。失うことは辛かっただろう。
厳しい訓練のために、9人兄弟もほぼ幼くして亡くした。
ほんの15歳の青年に背負わせるにはあまりに重すぎる運命だったろう。
そんな辛い過去を抱えながらも、天元様は
私達3人の嫁を愛して下さった。
私は彼にお礼がしたい。
家族を失った彼のためにも、
沢山の家族を作って楽しく、
賑やかな家庭を築きたい。
私は彼との子供を産みたい。
彼に家族の温もりを知って欲しい。
私が彼のために家族を作ってみせる。
けれども恥ずかしがり屋な私は、
そんな気持ちを言えるはずもなく、
ずっと胸に隠しながらこれからの日々を
過ごしていくと思っていた。
この時までは