乙女のしとやかさ【宇髄天元】【鬼滅の刃】R18♡あり
第7章 夢に向かって
宇髄「はぁーーーーーー」
美術準備室に入るなり、宇髄は大きなため息をついた。
完全に調子にのりすぎた。
というより、派手にカッコつけすぎた。
自分の授業を見に来てくれるだけでも嬉しいというのに、それを見に来てくれたのが
もも なだけに余計に舞い上がってしまった。
俺に惚れちまった??
なんて、なんであの時の俺はそんなことを言ったんだ?? 絶対に引かれちまったな、、。
でももも は、意味不明な、下手したらセクハラまがいと思われる発言をした俺の
授業をクソ真面目に見学していた。
生徒の近くに寄って作品を見たり、
生徒とも、にこやかに会話をしていた。
あいつ自身はまだ気づいてないが、
あの柔らかな口調と、声掛けは生徒の心を開かせ、自然と心を惹き付ける力を持っている。それは教員になるうえで素晴らしい素質だし、人としても優れている。
俺が生徒に色々指示する度に一生懸命メモをとって、頷いたりなんかしていた。
ひたむきで、真面目なその姿に釘付けになった。
その真剣な横顔が美しすぎて、心から
もも を描きたいと思った。
授業中だから生徒の指導に専念しなければならないから描くことは叶わなかったが、どっかのタイミングであいつを描きたい。
本当はもう少し話をしたかったが、あいつも忙しいだろうし、
というよりも動揺していることをももに悟られることを恐れて早く帰しちまった。 気になる女の前では少しでもかっこよくいたいというのが男のさがだろう。
あぁ、、、俺が美術じゃなくて社会の教員だったらあいつのこと付きっきりで見てやれるのになぁ。派手に煉獄が羨ましいぜ。
そんなことをグルグル頭の中で反芻しながら、俺は冷めきったコーヒーを地味にちびちびと飲んだ。