第2章 #2 新たな世界
道無き道を掻き分け山を下っていく
後ろを振り返ればもう家は見えなかった
段々と見えてくる新たな世界の風景
すぅっ、と空気を吸う
初めて訪れるその場所
知らないものしかなかった
目の前を走る不思議な物体
ビュウン、ビュウンと音を立て
目の前を走り抜けていく
あまりの速さに恐怖すら感じる
「あ?どうした?」
「車も知らないのか?」
「あー、まぁ山奥で暮らしてりゃなぁ…」
五条さんが何か言うが理解できなかった
くるま?目の前を走り抜ける
物体はくるまというのか?
赤、黒、白、青、色々な色がある
花霞の見たことない色も沢山あったようで
かじりつくようにじぃっと見ていた
「おい、車ばっか見てねぇで早く行くぞ」
正直花霞は車をまだ見ていたいと思ったが
仕方なくまた五条の後ろを歩いた
また景色が一変し高い建物は段々と少なくなる
木々に囲まれた石階段を登る
どこか懐かしい雰囲気に安心する
階段を登れば1つの建物が見える
「東京都立呪術高等専門学校。」
「花霞が将来通う学校だ」