第2章 #2 新たな世界
(とうきょ……ん?)
急に長い文を言われ処理が追いつかない
少し前にお母さんから聞いたことがある
〝学校〟という場所
楽しい、とその時母は言っていた気がする
将来私はここへ来るのだろうか
そんな考え事をしてるうちに
ズンズン五条さんは前を進んで行った
それに少し小走りで着いていく
とても大きな建物…何人かの大人の人と
すれ違えば珍しいものでも見るような目で見られた
きゅっと、五条さんの服の裾を掴んで
隠れるように歩く
何回も「大丈夫だ」と優しい声色で言い
大きな手で頭を撫でてくれた
ポンポンとされるのは居心地が良かった
するといきなり、ひとつの部屋の前で止まる
そしてガラガラガラとそのドアを開けた
「お、やっと来たな」
「遅かったじゃないか」
五条さんの背からひょこっと顔を出してみれば
女の人とお団子頭の男の人が見えた
バチッと目線が合いとっさにまた隠れる
「え、何その子」
「…誘拐してきたのか、悟」
「んなわけねぇだろ」
「あれだ、あれ」
「不死身の綾芽家の花霞だ」