第6章 #6 移り変わる心境
「ただいま〜」
「いつの間にあなたの家になったんですか」
「花霞は?」
「リビングにいます」
何故かピンポンも鳴らず、ガチャリと開く扉に嫌な予感を覚えるとそこには五条さんがいる
いつの間に合鍵を作っていたんだ…
相変わらず人の話を聞かず、ズカズカと家へ入り込んでくる
今日はそこまで忙しくなかったのか、夜の8時に来た
リビングを見ると楽しそうに五条さんと遊ぶ花霞さんの姿
自分は子供と遊ぶというのが苦手なためにそういう所はとても助かる
五条さんも花霞さんの事は気に入っているのか、約束というものなのか、暇があれば花霞さんに会いに来る
姿を見るだけの時もあれば、こうして遊んでいくことも。
家に来る度、新たなおもちゃを持ってくるため知らぬ間におもちゃだらけになってしまっている
花霞さんに与えた空き部屋は物置のような場所で非常に狭いため、そのおもちゃを置く場所は無く、リビングに飾るように置かれているが、そろそろリビングもいっぱいになってしまいそうだ
「五条さん、おもちゃを持ってくるのは良いのですが持ってきすぎないでくださいね
あまりスペースもないんですから」
「まーまー、いいんじゃん、ねー?花霞?」
甘ったるい声で首をこてんと傾げる五条さんに花霞さんは満面の笑みで首を縦に振る
それを見ると五条さんも笑顔になり、また遊び出す
そんな笑みを見せられると叱ろうにも叱れない
仕方なく見守ることにした