第6章 #6 移り変わる心境
ニコリと花霞さんにほほ笑みかける先生は続けてこう言う
「綾芽さんは病気で声を出すことが出来ません。もし、綾芽さんが困ってるかもと思ったら傍に行ってあげて、分からなかったら私を呼んでくださいね」
衝撃的な告白に戸惑った声が親御さん方から聞こえる
すると、隣の子の親御さんが
「あの…失礼ですけど血は繋がっていないのですか?」
「ええ、養子です」
「あ、なるほど…大変ですね」
「あぁ…」
大変ですね。その言葉は心配してるようで、下に見てるかのような言い方でもあった
病気を持ち、声が出せないなんて手のかかる子をなんで養子に?と聞いているかのようだった
ザワつく教室は先生の声で静かになり自己紹介がまた進められる
終始、花霞さんは怯えたような表情をしていたが、先生の優しい笑顔に安心したのか最後の方は少し笑っているようだった
一通り自己紹介は終わり、大切な書類などが配られる
健康カードや緊急連絡先など大量の書類
それが配られ、今日は解散となった
大半の人は親御さん同士話していたが、私は親代わりであり、なおかつまだ高校生。
花霞さんもこの空間に長時間いるのは辛いだろうと思い、早めに教室をでた