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【五条悟】運命は戻らない

第5章 #5 受け継がれるもの


スタートと開始の合図があったはいいものの、2人は何をしたらいいのか分からず突っ立ってるまんまだった
「おーい、どしたースタートだぞー」

「そう言われてもな…」
急な出来事にまだ状況が飲み込めていないのか、構えてはいるものの、仕掛けようとはしない傑

それに対し、ん?なに?、と言った表情でこちらを見る花霞に耳打ちする

「花霞、山での鬼ごっこだ」

『…』

何をするのが瞬時に理解した花霞は傑との距離を縮めようと走っていくと、それが合図になったのか傑も呪霊を出し、壁を作る

「大丈夫かねぇ、あんな小さな子とやらせて」

「まぁすぐわかるよ」

「ふーん」

呪霊が出てきた瞬間、距離を取ることもせず真っ向から挑む花霞

「よく呪霊に驚かないんだな、慣れてんの?」

「多分な」

そして小さなその手でバゴンッという音を立て倒す

その間約3秒の出来事であった
「え…っ」

流石の傑もこの強さは想定外だっただろう
一瞬動きを止める

その隙を逃すことなく花霞は足に力を込め、ありえないスピードを見せる

それは瞬間移動と言っていい程の速さでこの眼でも追うのは厳しい程だ

「………」

あまりの驚きように全員が固まり、静かになった時
ぽん、と優しく花霞が傑の背中を触る

「はいっ、しゅーりょー!」

「なんだ、怪我なんて心配する必要無かったな」

「凄いな、この歳でこれほどの力が開花してるとは逸材だな」

「多分俺らより強くなるぜ」

凄いな、と口々に褒められる花霞は照れくさくなったのか下を向いていた

「可愛いやつー!」

「全く、勝手に連れ出して来たと思ったらびっくりしたよ」
「さっさと帰らせてやれ、疲れてるだろ」

「あぁ、そうしとく」

久しぶりにこうして〝鬼ごっこ〟をやったことで体力が消耗したのか疲労の色を見せていた

「んじゃ協力ごくろーさん」

「はいはい」
手を振る2人に花霞は、はにかみながらも小さく手を振る

そんな花霞の小さな手を自分の手にすっぽり埋まらせ、七海の家へ帰った
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