第5章 #5 受け継がれるもの
「えーと…その子はこの前の?」
傑は戸惑った表情で花霞を見る
「あぁ」
太陽が1番高く登った午後1時頃、俺は七海の家に任務帰り寄った
そこで暇そうにテレビを見る花霞を引っ張り出してきて高専に連れてきて今に至る。
「で、何?見せたいものって?」
硝子はふわぁ、と欠伸して少し離れた場所で見守るようにいる
俺が高専にコイツを連れてきた理由はただ1つ
こいつの能力を測るためだ
山奥でこいつは1級を素手で倒していた
俺の予想は100%の確率で特級程度の力を持ってる
少し能力の開花が早いが、まぁ個人差ってやつだろ
多分いつか俺たちを超える程になるな
戦闘能力がどれほどかまずは傑とやらせる
「傑、こいつと戦え」
「……は?」「…何言ってんだ…」
「俺の予想ではこいつは特級程の力を持ってる」
「あんたマジで言ってんの?それ?」
「俺はいつもマジつってんだろ?」
そういえば2人は顔を見合わせ、まじか、とでも言いたそうな顔を見せる
「しかし私が怒られてしまうからな…」
「大丈夫、何とかしとくって」
「怪我なら私が治してやるからやってきな」
「いや…」
なんかゴニョゴニョと渋ってる傑を見て見ぬふりし、始めようとする
「よし、そんじゃ鬼ごっこ形式で行くぞ」
「鬼ごっこ?」
「どちらか片方が相手の体に手を触れる事が出来ればそっちの勝ち」
「傑は呪霊使って動き封じ込めるもあり、呪具使うもあり」
「それでは花霞が不利ではないか?」
分かってねぇなぁー、ま、これから分かることか
「まーまー、やれば分かるって」
「そんじゃスタートォー!!」
渋る傑と何をするか全く理解していない花霞を対面させると裏庭に五条の楽しげな声が響いた