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【五条悟】運命は戻らない

第5章 #5 受け継がれるもの


「花霞〜!ただいまー」

ピンポンピンポンピンポーン、と
急かすようなチャイムが鳴ったあと
七海はスコープを確認し扉を開ける

「……また来たんですか、五条さん」

夜10時、もうすぐ寝ようかと準備していた時
急に鳴り響くチャイムに七海は不機嫌になる

「まーまー、花霞の様子くらい見さしてって」

そんな七海の様子を知ってか知らずか静かな夜に似合わないテンションで部屋へ入ってくる五条


「もう夜遅いですし、部屋で寝てますよ」

「んじゃ顔だけ見て帰るわ」

「そうしてください」

そう言って五条は2階にある花霞の部屋へと急ぐ

なぜなら任務で疲れきった五条の体には花霞は癒しであり、この時間が唯一安心して休息できる時なのだ

ガチャ

すぅ、すぅ、と寝息をたてて
静かに眠る花霞の姿

少しはだけていた掛け布団を直し
そっと五条は部屋を出ていく

その時ガタッと音がした

「ん?」

1度閉めたドアをそっと開ければ
ベッドの上で小さくなって震える花霞がいた

「どうした?花霞?」

ガタガタと震え、目は五条を映さない

「おい!?何があった?!」

呼吸が乱れて五条の声もかき消されていく

「悪い夢でも見たか?」

一切五条の言葉は届かず、五条は小さくなって震える花霞の体を抱きしめた

花霞の震えが五条にも伝わる

はっ、となり五条は七海を呼びに行こうとするが

「うおっ、七海呼びに行くだけだ、…」

ぎゅっと花霞は服の裾を引っ張り離さない

やっと合った目は恐怖に包まれて、顔は引きつっていた

「わーった、ここにいる大丈夫だ」

そう言えば花霞はほっとしたのか引きつった顔もふんわりと和らぐ

震えもいつしか止まり、糸が切れたように眠りについた

また暗闇にドアの閉まる音が響いた
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