第3章 その傷を、、、
「わかりました。そこまで言ってくださるのであれば。」
「そうか、良かった。」
悲鳴嶼が嬉しそうに微笑む。鈴音はその表情に釘付けになった。
「ここから少し遠いが、大丈夫だろうか?」
「悲鳴嶼さんも来てくださるんですよね?」
「それはもちろん。」
「なら大丈夫です。」
何でかわからないが、鈴音は、悲鳴嶼と一緒なら大丈夫だと思えた。
「、、、そうか。」
悲鳴嶼は再び微笑んだ。
次の週、二人は蝶屋敷を訪れた。
「岩柱様ですね。どうされたんですか?」
門を開けてくれたのは小さな女の子だった。
「この女性の診察を、胡蝶に頼んでいる。」
「そうだったんですね。中にどうぞ。」
鈴音は歩きながら、悲鳴嶼を見上げる。
「岩柱様って悲鳴嶼さんのことですか?」
「、、、あぁ、そうだ。」
「意味をお聞きしても?」
「柱というのは鬼殺隊の中でも、特に強い人です。」
案内をしてくれている女の子が、振り返った。
「岩柱様は、岩の呼吸を使われています。なので岩柱様です。」
鈴音はなんとなくしか理解出来なかった。しかし、悲鳴嶼が鬼殺隊でも有数の実力者だということはわかった。
「こちらが診察室です。しのぶ様、岩柱様がお見えです。」
「どうぞ。」
診察室の中から若い女性の声がした。
「私はこれで。」
女の子は礼をすると、屋敷の奥に戻って行った。