第15章 12ページ目 弱ったときの特効薬。
うう、うううう…。
今日は朝も早くから、寮の自室にあるベッドの上でお腹を抱えてうずくまっていた。
お腹が、痛い…よう、ううう…。
つらくてきつくて、だんだんと重力にも負けて頭がベッドに着くくらい下がってくる。
ああ、でも、あんまり背を丸めすぎるとお腹に圧がかかって、これまた…ぐ、う、うう…。
寄せては返す波のように、定期的にぐぐうっと強くやってくる鈍い痛み。まんべんなく痛む腰に全体的にだるい身体、ついでに痛みのあまりに胃まで気持ち悪い。
そう、女性に月イチくるアレです。
いつもは軽いわりにたまにけっこう重めのがコンニチワするんだけど、それが今回だったようで。起きて体の状態に気づいてからずっとこの調子で呻いている。
うー、うー、でもずっとこのままってわけにもいかない。
授業に出るのは厳しいけど、せめてもう少し楽になりたい。
その為には胃に何か入れて、お薬を飲まなければ…!
ふーっ、ふーっ、と息を吐いて痛みを逃がしながら…いや逃がしきれないけど…お腹を押さえて部屋を出る。
ううう、とたまに小さく呻きながらずるりずるりと廊下を俯き歩く姿はさながら呪霊ゾンビのよう。
この姿は、あまり人に見られたくないなぁ。
寝間着のティーシャツと短パン姿だし、寝起きのボサボサ髪だし、ぜったい顔色悪いし。そう思いながら必死に足を動かし、途中で何回か立ち止まりつつもなんとか食堂まで辿り着いた。
あらかじめ寮母さんにお願いしていなかったからご飯を用意してはもらえないけど、どのみちマトモに食事を楽しめる状態じゃないし。ここの共用冷蔵庫なら、誰かしらが何かしらを詰め込んでいるから食べられるものがある…筈。
なにか食べやすいものありますように!そう願いをこめて冷蔵庫をぱかりと開ければ、真っ先に目に入ったコンビニプリンのカップ。
あ、食べやすそう。
でもなぁー…甘味はなぁー…五条くんの可能性が高いから………うん、やっぱりやめておこう。
他になにか…あ、ゼリー!も、怪しいな。
もしかして冷やしてあるモノって、選択けっこう難しい?
えと、じゃあ棚の方を見てみよう。