第14章 11ページ目 深爪したら…。
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どうやら五条くんは、夏油くんに教えてもらった少年漫画雑誌を読んだらしく。
指を口に含んで「消毒(はーと)」は、その中に描いてあって覚えた、とのこと。
あーはいはい。
よくあるやつだね。
女の子いっぱいのラブコメものね。
ラッキースケベとかハプニングとかあるあるだよね。
うん、知ってる。
でもアレ、フツーじゃないからねっ。
少年漫画のラブコメはファンタジー。
後日、五条くんにはきっちり教え直しておきました。
「アレね、普通の消毒じゃないからね?誰もやらないし、もうやっちゃダメだよ」
「そなの?」
「そなの!」
「ふーん。そういや血って、あんま美味くないな」
「当り前でしょお…」
あんなので血の味を再確認しないで五条くん。
五条くんを見るたび、ふとしたときに思い出しては勝手に火照る頬っぺたに手を当てて冷やす。
ふう…まったく…五条くんめ。
口に指を咥えられ、舐められた衝撃はしばらく忘れられなさそう…うう。
ほんと五条くんて、色々と規格外だなぁ。
「あ、顔真っ赤」
「うるしゃい!!」
ほんとにもう…
デリカシーどこいっちゃったの?