第14章 11ページ目 深爪したら…。
「いた、痛いっ、よお、五条くん…!!」
「ん…ちょっふぉ、がまんしろっれ…」
「指くわえながら喋らないでぇ!!」
なな、なんか、なんか色々とダメな感じするから!!
それに五条くんの、雰囲気が、その、急になんか色っぽいというかっ…。
「んー…うるへ…れる、ちゅ…ぢゅうううっ」
「いったあ!いたたた痛い痛いっ!!」
音立てて吸わないでええっ!!
そんなに強く吸われたら傷口めちゃくちゃ痛いっ。
ズキズキするうーーっ!!
とにかく指を五条くんの口から引き抜こうとするも、手首をがっしり掴まれていて動かすことができない。
にゃんで!?
ぐっぐっと力を入れてみても、全くビクともしない。
五条くんのばかぢから~~っ。
そうしている間にも指先はれろぉと舐められぢゅるると強く吸われて、傷口はズキズキ痛み続ける。
うああああ…!!
わけがわからない恥ずかしさと痛みで胸がいっぱいになり、さすがに逆の手でなんとかしようとしたとき。
ちゅぽっ…。
耳と心に酷くダメージを受けるような音を立てて、人差し指が五条くんの口から解放された。
あ、あううう…。
温かかった指先が、外の空気に触れて一気に冷えていく。
わずかに残された五条くんの唾液によって、表面がテラテラと妖しげに光を反射していて。いつもならただ汚いと思うだけのそれを、なんとも言えない心地で見つめる。
ドクドクと人差し指の先が脈打っているように感じて、寒くもないのに身体がふるりと震えた。
否応なく上がっていった熱で、頬なんて真っ赤になっているに違いない。
「ご、ごじょ…五条くん?」
動揺して言葉は噛むし、ごくりと喉は鳴っちゃったけど。
なけなしの気力を振り絞って、なんとか落ち着いている風を装って首を傾げてみせる。
なんで、指、口に入れたの?かな?
「ゆ、ゆび…なんで…?」
「え?フツー消毒って、こうするんだろ?」
………いや、ほんとに、なんで?