第13章 10ページ目 重ねて名付けてミルフィーユ!
「こほん!まぁ、大体そんな風に思うよね。塵も積もれば山となる。雑魚呪霊も重なれば…?」
言葉を止めて、チラとみんなに視線を向けてみる。
「重なったとしても雑魚は雑魚だろ。一網打尽にしてやりゃいいじゃん」
ううん、ちっがーう!
五条くんにしてみればそうなのかもしれないけど、言いたいことはそうじゃないんだなぁ~。
「あのね、そうかもしれないけど、そうじゃなくって…つまり…」
「つまり?」
ああ、素直に聞き返してくれる硝子ちゃんの存在ほんとにありがたい。
女神…。
「こう、壊しても壊しても次から次に現れる結界ってどう思う?」
「…面倒くさすぎる」
「…目障りどころじゃないね」
「…死ぬほどウザイ」
「えええっ?」
ちょっ…まって、ねぇ、みんなしてさっきより返答が辛辣なのなんで?
実はそういうの開発したんですけど…。
面倒で目障りで死ぬほどウザイの出来ちゃったんですけど…!?
「が言いたいのは、そういう結界が作れるようになったってこと?」
硝子ちゃああん!さすが以心伝心なのっ?
硝子ちゃんの横できらきら目を輝かせて頷いたら、よしよしとほっそりした手で頭を撫でられた。
うふふ、だいすきぃー。
今なら無い尻尾をぶんぶん振れる気がする!
「それで…その結界とやらは、実際どういうモノなんだい?」
「夏油くん、よくぞ聞いてくれました!」
パッと表情も明るく夏油くんを振り向くと、両手を合わせて気合を入れるようにパチンと音を鳴らす。
みんなに結界を見せるなら~と思って、わかりやすいように、今日は真ん中な席の五条くんの前に立った。
「今から見せるね、ちょっと待っててー…」
さっそく印を組むと呪力を練って。
三人が見守る中はちょっと緊張したけど、徐々にイメージ通りに時間をかけて丁寧に結界を作り出していく。
今回はサイズは小さめで、手より大きなボールくらい………よし、できた!
「はい、完成~!」
「いつもの、に見えるけどコレは…」
まずサングラスを外して綺麗な碧眼を露わにした五条くんが食いついた。
うん、さすがは五条くん。
見た目はいつもの結界ボールと違わないというのに、もうわかったのかぁ。
六眼ってすごいなぁ。