第1章 1ページ目 初日!
んんー??
ほんのりお顔が赤い、かも?
わたしは五条くんのサングラスを見つめて首を傾げた。
「…五条くん?」
「…ん」
「…いらないの?」
「…いる」
ぼそっと言ってようやく受け取ってくれる。
よし、任務完了!
いやなにがどうしてこうなったんだっけ。
五条くんはすぐに袋をばりっとやぶってクッキーをいちまい口に入れた。
もぐもぐしてるのがわかる。
あ、ごっくんした。のどすごい動いた。
「…うまい」
「ん、そっか。よかったぁ!」
にっかぁー。
五条くんの素直な言葉がうれしくて笑ってしまう。
いつもつれない野良猫がやっとおやつを食べてくれたような気分だ。
なんという達成感!
さて…んん?そういえば、わたしの棒付きキャンディーは……あれ?……ない。
右手を見ても。
左手を見ても。
口の中を確認しても。
「どこにもない!?」
急に叫んだわたしにおっきい男子二人がビクッと身体を揺らした。
だが、知ったこっちゃない。
わたしのアメちゃーーーーんん!!!
「ど、どうしたんだよ?」
「?なにかあったのかい?」
「わ、わたしの棒付きキャンディーがぁ………ないの」
どこに消えちゃったの?
今にも泣きそうな声を出して二人を見つめる。
と、夏油くんがちょいちょいと下を指さした。
ん?なぁに?
ゆっくり視線を落とすと、足元に散らばった不自然な粉。
なんだかカラフルだ。パステルめいた色。