第10章 7ページ目 初めての任務(2)
それから仕方ないと了承した夏油くんに、打って変わって嬉しそうに肩を組みだす五条くんが揃って出口の方へ足を向ける。
続くように硝子ちゃんが歩き出して、行こう?と促されるままにわたしも足を動かした。
なにはともあれ、任務完了!だ。
補助監督さんにお願いしてファミレス近くで降ろしてもらい、店内に入るとそれはもう注目された。
主に五条くんと夏油くんのふたりが女性客から。
うーん…まずでっかいから目立つんだよねぇ。
硝子ちゃんは硝子ちゃんで美人だし、あの子いったいどういう関係なのかしら?って感じでも目立っちゃうし。
…まぁ、みんな慣れた態度でまるで気にしてないけどね…うふふ。
座席の広さ的に…五条くんの隣にわたし、その向かいに硝子ちゃん、その隣で五条くんの向かい側に夏油くん。
そんな並びで席に座って、さあメニューを見ようというところで五条くんが真っ先に口を開いた。
「あ、そうだ。傑」
「なんだい?」
「さっきの呪霊。呑むならさっさと呑んでこいよ、待ってるから。ゲロマズなんだろ?それから口直しといこうぜ」
メニューを見ながら、うわこのパフェうまそう!なんて続いた言葉にわたしも惹かれながら夏油くんを見れば、驚いたように五条くんを見たあと。
「…そうだな」
眉を下げて、それはそれは初めて見るくらいに、とてもやわらかく微笑んだ。
「ああっ、五条くん食べすぎ!」
「ケチるなよ。ほら、こっちのやるから口開けろ」
「あーーんむ!んん、むぐむぐ…おいしい~!あまぁ~い!」
「だろ!」
「、こっちも食べるかい?」
「食べる!あーん…んぐんぐ、うん!甘さ控えめ大人のお味ぃ」
「、はいあーん」
「ああーん、もぐもぐもぐ…これもおいひいねぇ」
うふふ、しあわせ~。
…て、あれ?
結局わたしと五条くんがもりもり甘いものを食べて終わったような気がする。
途中、夏油くんは口直しできたかな?って顔を見たら、なんだか嬉しそうに笑っていたからまぁいっか!
きっと出来たんだと、そう思おう。
体と心の口直し。