第7章 5ページ目 体術の訓練。
「ちょっと息止まっちゃったけど、もう大丈夫だよ。五条くんがすぐ対処してくれたから、助かったよ~」
にこにこしながら言ったら、二人の空気がガラッと変わった。
……あ、あれ?
「五条…に何やってくれてんの?ちゃんと加減しろよ、馬鹿か」
「…ちゃんと加減したっつーの」
…あ、ちょっと、五条くん不機嫌そう。
あの、硝子ちゃん、もう大丈夫だから。ね?
だからそれ以上は…あと、こっちおいでしてくれて嬉しいんだけど…今はちょーっとムリかなぁ?
まだわたしを抱き込んでる五条くんの腕が、お腹に食い込んできてるから…ぐう、くるしい…。
「硝子の言う通りだよ、悟。の呼吸を止めるなんて、何を考えてるんだ?ああ、考えてないからこういうことになるのか。少しは頭を使えよ」
げ、夏油くん?
な、なんだか怒ってらっしゃる?
「は?のギリギリを考えて調整してやってこれなんだよ。油断して攻撃受けたんだからそれはこいつの責任だろ。過保護に甘やかしてんじゃねぇぞ、保育士さんか。転職でも視野に入れたら?」
あああ、かっつぃーんきちゃったよ五条くん。
なんで煽りスキル持ちなのに煽られ耐性ゼロなのぉ?
お願いだからばちばちしないで、わたしを挟んでばちばちはやめて。
「どうやら、反省する気はないようだな」
「どこの誰に何が必要だって?上から目線で見下ろして気分いいかよ」
五条くんがわざとらしくオ゛エェーと舌を出して見せる。
うああんもうダメだぁあアレはじまるやつうう!!!!
嘆いた瞬間、夏油くんの方からぶわぁっと呪霊が飛び出してくるのが見えた。
ぎいやああああ助けてぇえーーっ!!
咄嗟に術式を発動して、わたしと五条くんを結界ですっぽり包み込む。
ばちっばちん、と音を立てて弾かれる呪霊たち。
……せ、セーフ。
結界に阻まれる様子に、チッと舌打ちをこぼす夏油くんを涙目で見つめる。
こ、こわぁああ。
夏油くんてたまに、すんごくガラ悪いよね?