第1章 1ページ目 初日!
さっそく硝子ちゃんからもらった棒付きキャンディーを口に入れる。
くるくる、ころころ。
あー…このバナナイチゴサンデー味おいしーなぁ。
近くのコンビニに売ってるかな?
なんて考えながら硝子ちゃんと並んで歩く。
るんるんしながら教室の扉を開けると、すでに席についている男子生徒が二人。
おお、早いねー!
ひとりは寝てて、もうひとりは頬杖ついてケータイを見てる。
ものすごくリラックスしてるなぁー…学校初日とは思えない。
「おはよう硝子、」
ケータイ見ていた男の子の方が、わたしたちに気づいて微笑む。
おだんご頭の夏油傑くんだ。
夏油くんとも昨日のうちに挨拶して、すぐに名前呼びをされることになった。
ナチュラルに女の子慣れしている感じすごい。
ただ、「15歳?ほんとに?…15歳?」と何度も聞いては頭をなでるのどうかと思う。
優しくてちょっと失礼な男の子だ。
「おはよ」
「おはよう夏油くん!」
「ふ、は今日も元気だね」
「えっへん、ありがとう!」
自慢気に胸をはったら、細い目をさらに細めて夏油くんが笑った。
うふふ、笑顔がすてきだなぁ今日も前髪きまってるね!
そして…
「こいつ、どうしたの?」
「ああ、悟のやつまた夜更かししたらしくて…この体たらく」
「はは、ダラしねー。ゲーム?」
「ゲーム」
硝子ちゃんと夏油くんの会話をふんふん聞きながら、机に顔をふせて眠っている男の子を見る。
この呪術高専で、わたしの数少ない同級生の最後のひとり。
よく知らないけど名家のおぼっちゃんなんですと!
でも、すごさがよくわからないっ残念っ。
口と態度がものすごーく悪いけど、ものすごーく顔がいい。
あと、すなおに笑うときはかわいいです!
あとあと、白い髪の毛と青い目はきれいだからすきー。
ぽてぽて歩いて本人…五条悟くんの真ん前に行く。