第3章 3ページ目 お勉強!
「わたしの術式のなにがデタラメなの?ちゃんと結界作れてるよ?」
はい、せんせー!
デタラメだったらそもそも術式は発動しないんじゃないでしょうか?
首を痛いくらいに上向けて、五条くんのサングラスを見つめる。
わたしの体がぐーんと思いきり反ってるのを見たからか。
五条くんはさっとしゃがむと、私の机に腕を乗っけて上半身を預けた。
「デタラメっていうか、大雑把っていうか…、結界作る時いっつも一度やたらデカいの張ってから素早くサイズ調整してんだろ?ちゃんと気づいてるからな。それを数値設定するなり範囲指定するなりすれば、余分な呪力消費しなくてすむんじゃねぇの」
お、おおう…長文の説明攻撃。
で、でも、でもね?
「いちおう、範囲は決めてるんだよ?」
「どうやって?」
「あの、だいたい目分量というか…目測?で」
「だからさぁ、そういうとこだって言ってんの。目分量ってなんだ?ザックリイメージと変わらないじゃねーか。簡単でもいいから数値で範囲指定すれば最初から無駄に呪力消費しなくてすむ話だろ。お前は呪力量豊富だから今のままでも押し通せるしそれでいいって思ってるかもしれないけど、そうやって油断してるといざって時に困るんじゃない?少しでも…」
ひぃいいんっ…!!!!
五条くんがなにか難しいけど間違ってないこと言いながらつめ寄ってくるよぉお!!!
た、たしかに、たしかにその通りなのかもしれないけど、一気にたくさんのこと言われて頭、頭がっ…パンクしそう~~っ。
「ちょっと五条、のかわいい顔が引きつってるだろ」
「悟、それ以上はには酷というものだよ。やめておきな」
「あ?……ああもう、しょうがねぇなぁ…」
ほげーっと宇宙を背負ってたら、硝子ちゃんと夏油くんにかわるがわる頭をよしよしされた。
えへ、えへへ、二人がやさしい…。
頭をガシガシかいて、五条くんが大きなため息を吐く。
ごめんねぇ、話についていけなくて…
「また今度な」
「しょんなっ!?」
五条くんは厳しかった。