第3章 3ページ目 お勉強!
呪術を学ぶ学校とはいえ。
一般教科というものはあるわけで。
数学、国語、英語に物理えとせとら。
わたしはみんなに囲まれながら絶望のふちにいた。
「うわぁあ~~~一般教科むずかしいよぉう!だいたい因数分解ってなに!?」
べしっと教室の机を両手でたたく。
ルートとかさあ、あの記号って必要?
証明しろって、じゃあ物証もってきてよぉう計算して答え出ればいいじゃない。
答えが合ってればいいじゃない。
「バカだ。疑いようのないバカがここにいる」
「ばかって言わないで五条くん…」
「バカな子ほどかわいいって言うじゃないか」
「ばかって言わないで夏油くん…」
「………」
「なにか言ってぇ硝子ちゃん…!」
そんな慈愛の表情うかべて微笑まないでぇーすごくきれい!まぶしい!!
うっうっうっ……みんなひどい。
わたしはちょっと勉強が苦手で文系よりなだけなのに。
しくしくと泣き真似をしてみる。
「見え透いた嘘泣きしてんじゃねぇ」
「あいたっ」
五条くんにチョップされた。
いたーいひどーい五条くんの馬鹿力~~。
頭をさすさすと撫でて、五条くんを軽くにらむ。
「へっ、何それ?もしかして睨んでんの?マジ?全っ然怖くねーわ、さすが小動物」
ニヤ~って口端をあげて意地の悪い顔。
むきぃーーっ!!
手足をじたばたさせたら、今度は頭をわしゃわしゃ撫でられる。
……そ、そんなのでごまかされたり……う、ううむ……悪くない。
「…そもそもさぁ、数学に記号の必要有無を持ち出す時点でアウトだろ。必要だから記号は存在してんの」
え、まだ続くの?五条くん。
「証明問題に物証とか言い出すのもアウトだね、科学捜査じゃないんだから」
夏油くんっ!?
「答え出すにも過程は必要だからね~、アウト」
まさかの硝子ちゃんまでっ……もうやめようよ~!
まさかのスリーアウトで残念三振バッターアウトの選手交代だよ。
じゃあこの話は終わりということで…
「だーかーら、お前の術式はデタラメなんだよ」
あ、終わらない感じ?そうですかぁ…ちぇ。