Smile Again ~君の笑顔をもう一度~【短編集】
第2章 ~俺が守ろう~*ジョット*家庭教ヒットマンリボーン*
「嘘…そんな…」
私を待っていたのは…変わり果てた我が故郷。
街は赤き炎に包まれ、賑やかだった市場の面影はなく、建物は原形を留めていない。
「…皆…!!」
私はがれきの山と化した街を走り抜け、家のあった場所まで向かう。
「あ…ああ……」
家は半壊し、あちこちから火があがっていた。
嘘だ…皆は!!
私は夢中で曲がった扉を蹴り開け、中に飛び込むと、家族を呼んだ。
「皆ー!!」
恐る恐る居間に進むと、最悪の光景、一番見たくなかった光景が広がっていた…。
父と母は抱き合った形で倒れていた。
身体に何発かの銃創が残っている。
「父さん母さん!!返事をして!!父さん!!母さん…!!」
しかし、2人の目に光が宿ることはなかった。
身体の力が抜けていく。
私はその場にへたり込み、2人をぼんやりと見つめた。
…ガタッ
…!?
なに…今の…。
?「…、……」
二階からだ!!
二階に通じる階段はあちこち壊れていたけど、私はそんなのお構いなしに駆け上がった。
二階にいたのは…。
「デュリオ!!」
1つ違いの弟。
「デュリオ!!私よ、わかる!?」
デ「姉…さん…?良かった…姉さんは…生きてたんだ…うっ!」
「無理しないで!!あなたは…、っ!!」
デュリオを抱きかかえていた手は、真っ赤だった。
腹を撃たれていたのだ。
デュリオの周りは、全てが緋色に染まっていた。
デ「僕は…もう…はぁっ…長くない…。姉さんだけでも…うっ…生きて…」
「何言ってるの!!あなたも一緒よ!!」
デ「姉さん…ごめんね…」
「デュリオ!!」
デ「ごめ…ん…ね…。今…まで………あり…が…」
ガクッと力が抜け、デュリオはふっと目を閉じた。
「いや…」
デュリオの身体から、温もりが失われていく。
「いや…!」
デュリオは…もう…!
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
私はデュリオの亡骸に縋りついて泣き叫んだ。