第3章 地獄の沙汰も最強次第。【高専五条成代 / 夏油】
□ 呪術廻戦、高専時代の五条 悟成り代わりです。女主。
□ 原作口調。糖度低めな出会いのお話。友情系統です。
※ 五条(女)の一人称が『俺』です。
問題児二人、但し最強。
地獄のような話だ。
誰が言ったか、いつの間にか俺らは最強になってた。
痛み為し、下劣上等馬鹿野郎。
天国も地獄も、俺達の為にあると信じて疑わなかった。
「許嫁だなんて、また五条家も古びた真似をするね」
「ほんっとだよ。誰が一族支えてやってると思ってんだ、あい
つら。結婚させたいなら、もっと俺より強いか、同等レベルの
呪術師連れて来いって話だろ」
「それは中々居ないにしても、最近頻度が増えたんじゃないか?
どうしてそんなに星来を早く婚約させたいんだろうね」
傑が瞼を閉じながら言う。俺に言われてもそんなこと、結婚
したくないから分からない。
「さーぁ?まあ多分俺の性格からして、結婚させたら少しは
大人しくなるとか思ってんじゃねぇの?見当違いにも程がある
けどな」
「ふむ。成程、………存外興味深い話だったよ」
「オイ裏切ってんじゃねー」
おまえもそっち派かよ、とジトリ睨んで見る。傑は何でもなさそうにした。
「大体、俺の隣に傑以外が居るとかありえねーから」
「フフ、褒め言葉かな?」
「ばーか。んな抽象的なワケあるか」
もっと偶像的で地獄、果ての呪いの呪詛だよ。
それは、あの日の言葉とおんなじだった。
「地獄まで俺と一緒。どうよ、最強が過ぎるくらいの
最高案件だろ?」
「……………」
一目見て、こいつは良いと感じた。とっても、腹黒い。
一緒になるなら、俺に負けないくらいのクズがいい。居心地を求めるから。でも曲者と、我が強いのはごめんだ。
その点で、傑はどこをとっても優等生だった。
天才の俺に、少しも劣等感を抱かなかった、とても都合の良い。
サングラスの下から六眼で見つめた双眸は、面白そうに歪んでいた。
地獄に落ちても、俺は必ずこいつを連れて行く。嫌々言っても
道連れにしてやる、必ず。
けれどこいつが地獄へ落ちる時には、絶対俺も同様なんだ。
それを信じて懐疑して、やまない程度には。