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夜行観覧車

第2章 藍鼓動。【五条成代 / 伏黒】



 □ 呪術廻戦、五条 悟の女体化成り代わりです。
 □ 原作口調。苗字は「五条」のままです。ネームレス。




 「はぁ………、ちょっとどうかと思うよ私は」



 「……急に、何ですか。五条先生」

 いきなり話をしだした私に怪訝そうな目で見つめて来るのは
恵。今年から、割と普通の高専生だ。

 普通、なのにさぁ。私が担任するって言うのにさぁ…!

 
 

 「なんで1年生が一人な訳!?つっまんなさ過ぎでしょ。
 恵のテンションだけじゃ私死んじゃうよ!?」

 「死なないですよ。そんな事で、」
 はぁ……、と恵は溜め息をするけど、こっちにとっちゃ死活問題なんですよっと。

 私はそんな風に続けて、座っていた椅子から乗り出し恵の
見ていた始末書を奪い取った。


 「あ。ちょっと、」

 「うへぇー。たかだか3級程度の呪霊の始末書に、よくこんな
 書くことあるねぇ」



 「…馬鹿に、してますか」

 「ん〜? 褒めてんだよ。恵は偉い子だからさ」


 頭撫でてやろうか? なんて、嘘だからそんなに嫌そうな顔
しないでって。怖いよ。

 
 「………居るでしょ、もう一人。上京とか言って。」

 「え……あぁ。」


 そう言えば、そんな話したかも。よく覚えてるね。
 恵はまた、溜め息を吐く。




 「全く……。アンタ担任でしょ、しっかりして下さいよ。」

 「アハハ、恵はおかーさんかな?」
 恵ママー! 仙台の喜久福食べたい!!買ってきて!







 「えーでも恵も、友達は多ければ多いほどいいでしょ?」

 「なんで友達になる前提………。別に、どっちでも良いです」

 


 あ、五条先生より面倒臭いのは勘弁で、ってオイ。
最後のそれ要るかめーぐーみーくーん。

 「五条先生のこと、星来殿って呼ばないと退学にする校則
 でも付け足そっかな」

 「パワハラ紛いな事辞めて下さい」

 「言っとっけど恵もだからね。ほら言いなよ、星来殿ー、
 殿ー!!って、」
 「言いません」


 口を尖らせて講義の目を向けると、恵はまた、溜め息。



 「それさぁ、やめなよ。幸せ逃げるって知らないの?」

 「逃してるのは誰ですか」




 アハハ、うん、そうだね。







 いつの日も、お前を逃してるのは、私だ。
 







 
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