第4章 再挑戦
翌日、私はマスルールさんに手伝ってもらって罠を森に仕掛け、体をほぐした。
そして今、その罠を確認しに向かっている。
(どうなっているのかしら・・・)
マスルールさんと一緒に仕掛けた罠は簡単なものだった。
パパゴラスが訪れやすい木の近くに落とし穴を作り、その上にパパゴレッヤの菓子を置き、落とし穴にはまると同時に鉄製の籠が落ちるようにしておく、というものだ。
3ヶ所ほど仕掛けたから、うまくいけば3羽のパパゴラスが罠にかかったことになる。
うまくいっていますように、と祈ったころには、既に罠の近くまで来ていた。
一つ目は、まだのようで菓子と籠があった。
次にすぐ近くの二つ目の罠を見ても、かかった様子はなかった。
(最後の罠にかかってなかったら・・・後がないわ)
ごくり、と唾を飲み込み、最後の罠を見に行く。
ばっと覗き込むと、鉄の籠が落ちていた。
(・・・・・・!やったわ!)
覗くと確かにパパゴラスが一羽いて、私の姿を確認するとギャーギャーと騒いだ。
(羽は・・・・・・・・・・・・
ないわね。じゃあ逃がしましょうか・・・)
私が籠を持ち上げようとすると、パパゴラスは私の指に噛み付こうとしてきた。
慌てて指を引っ込める。パパゴラスは大きな声で鳴いたり、
逆に鳴き止んで別の方向を向いたりする。
様子がおかしいわ。
パパゴラスが向く方向を見ると、一本の木があり、枝の上には巣があった。
(もしかして・・・・・・自分の巣を守ろうとしていたの?)
そういえば、私が光るものを見つけた時もそばに巣があった気がする。きっと私が巣を襲うと思ったんだわ。
「ごめんなさい・・・・・・違うんです。私はそんなつもりじゃなかった!」
一気に籠を持ち上げると、パパゴラスが出てきて高く飛び、
急降下してきた。
私は籠をおろすとすぐに後ろへ飛んで攻撃を回避した。
そして何度も襲い来るパパゴラスをできるだけ傷つけないよう攻撃をかわしながら逃げる。
どうしよう。このままじゃ羽がとれないし、私の身も危ないわ。
逃げて逃げて、少し広い場所へ出た。
そこは前に行き着いた、パパゴラスの巣窟。
記憶が、痛みが、蘇る。
どうしよう・・・どうすれば!?
前にも後ろにも、狂ったように鳴きわめくパパゴラスがいる。
逃げても羽は手に入らない。
まさに、絶体絶命だ。