第3章 真実とアリババ
*アリババ目線*
嘘だな。
俺はモルジアナから崖から落ちたと聞いた。でもそれが嘘だということは彼女の顔が語っていた。
焦りと、不安。それが見て取れた。
何か、俺にも言えないほどの事をしたのか・・・?
下を向いてしまった彼女。深く聞かないほうがいいことも
とても小さく嗚咽を漏らす彼女が語っていた。
「・・・もしかしてモルジアナ、腹減ったか?もうそろそろ飯の時間だし、移動するか!」
俺はわざと見当違いで空気の読めないような発言をした。
そうでもしねえと、モルジアナが笑ってくれないと思ったから。
モルジアナは、「・・・はい!」と返事をして―――――――
にこりと笑った。
少しドギマギするのを隠すため、くるりと後ろを向き扉を開ける。
(やべえ、不覚にも可愛いと思っちまった・・・)
俺はそのまま赤い顔を隠しながら、モルジアナと一緒に王宮の廊下を歩いていった。